
世界のすべてをいつかきみに / 鈴木ちさ

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世界のすべてをいつかきみに (ガッシュ文庫) [文庫]
鈴本 ちさ (著), サマミヤ アカザ (イラスト)
出版社: 海王社 (2012/2/28)

内容
人嫌いで揉めては研究チームを転々とさせられていた大沢霊長類研究所所員・入江に下った新しい辞令は、トラの子の世話。―が、やってきたのは浅葱という人間の子で、密林でトラに育てられていたという。警戒心むき出しで触れることも難しかった浅葱だが、乱暴ながらも根気強く面倒を見続けた入江にひな鳥のように懐く。無垢な好意と信頼は入江の心をほぐしていくが、浅葱の入江に対する気持ちは恋にまで育ってしまい…。
感想
確かにどこかで読んだような話で 作家さんは 他の名前で書いていらっしゃるそ
うなんですが 思い出せない^^;こういう話は凄く好きなので ついつい一気に
読んでしまいました。大昔のBLで ずっと両親とアフリカにいた男子が高校生に
なって日本の全寮制に来るという話も 男の子が頓珍漢で 面白かったのですが
これは更に上を言って 虎の子?みたいな感じで それが段々 人と上手くやって
いけない入江と 心が通っていくのだから面白いです。余りにも純粋過ぎて 人の
中で生きていけるのかと心配になります。入江への愛だけで生きてる感じで ある
意味幸せだよねー^^;
世界のすべてをいつかきみに
入江はハンサムで長身 しかも家族経営企業の一族である。しかし親や親戚たちの
醜い争いを見て また自分の超進学校での生活が馬鹿らしくなり 大沢霊長類研究
所所員となる。人嫌いなってしまい 人を信じることができない どこのチームと
も揉めてやっとここに落ち着いた。ところが所長から あり得ないような仕事を押
し付けられる。皆で見ているのは 少年だというがどこから見ても獣だ。長い髪は
ずっと洗っていないので泥だらけで固まり 手足は以上に細く黒い。しかも呻り声
をあげていて 人語を解するかもわからない。この子の世話をお願いすると所長は
いうが 入江は猿の研究をしているのだ。
天野浅葱は18歳で 両親がベンガルトラの保護をしていた。ところが5歳の時に
両親は殺されて 浅葱と虎は行方不明になっていた。虎と一緒に行動している人間
がいると噂になり 今回の捕獲になったという。夫婦にお世話になったという天野
と言う男が浅葱を日本に連れて帰り 養子としているのだ。しかしどうしていいか
分からず研究所に連れてきた。所長は入江に君は人間とより動物とのほうがうまく
やっていけるだろうという。しぶしぶ引き受けるが 浅葱は部屋で警戒してベット
の下にもぐって出てこない。野良猫を手なずける要領で入江は始めた。とりあえず
こちのいうことは 少しわかるらしい。怯えきっているので 電気も暗くして食料
だけそっと皿に載せて様子を窺う。三日経つと入江は危険でないとわかったのか
出てきて食料を食べるようになった。だがまだ触らせない。
1週間経ち疲れてつい入江がベットで寝てしまうと 浅葱がそっと寄ってきて入江
の匂いを嗅いでいる。可笑しいが じっとしていると安心したのか入江の足を枕に
寝てしまう。まるで大きな猫だ。ちょっと胸があったかくなる入江だ。元は人懐こ
いようで 部屋で座っておとなしくしている。入江に懐いたようだ。半月たち風呂
に入れようとしたら大騒ぎになった。暴れてひっかいたり噛みつくので 入江は怒
るが 浅葱も風呂は気持ちいいと途中からわかったようでおとなしくなり 綺麗に
何度も洗ってやる。顔がやっとわかると アイドルのような綺麗な顔だとわかる。
栄養失調の体も ちょっとましになってきた。洋服も着せて やっと人間だと入江
が笑うと 浅葱もちょっと笑った。
少しずつ言葉を覚えさせた。自分が浅葱と言う名前だとわかり 入江も色々なもの
を覚えてきた。自然界にはない 飴というのが浅葱は大好きで 飴をあげると交換
条件で よく言葉を覚えるようになった。甘い物の力は絶大で よくいうことをき
き世話は楽になるが 入江にしか懐かないで いつも浅葱は彼の服の端っこを握っ
ている。二か月が過ぎて会話も成立して 人間らしくなってきた。ご褒美にアイス
クリームを上げると驚愕して 冷たいけど甘いと 浅葱の大好物となる。所長はよ
くやっていると感心するが 他の人間や外の世界とも接触させるようにという。
いつかは 外の世界で生活しないといけないからだ。しかし 入江はこのまま傍に
おきたいという気持ちがわく。
浅葱に部屋の外に行こうというが 浅葱はここで入江といるという。ずっとここに
いられないというと 入江が一緒ならというので ご褒美にまたアイスでつった。
恐々部屋の外に出るが 入江が手を握っているので浅葱は廊下を歩いた。突然清掃
員と出くわすと飛び上がり 入江に両手両足ですがりつく。他の研究員が見て話し
ているのにも 怯えている。こうやって毎日少しずつ研究所の中を歩いた。だが見
かけは人間だが やはり野生の虎のような習性がある。渡したお菓子をあちこちに
隠したり アイスまで隠して溶けて大泣きしたりと 浅葱の世話は大変だが純粋で
可愛いと 入江は思うようになる。そろそろ町に連れいていくので どんな店があ
るかとか お金の使い方なども教え始める。このころになると 浅葱は入江が好き
と言い出し いつでも好きと言っては甘えてきて顔を嘗めたりする。今晩もベット
で入江にくっついて 好き好きと言いながら浅葱は寝た。
こんまま この生活が続くと入江は思っていたのだが 朝 浅葱が体が変で病気だ
と騒ぎだした。驚いてみると ただの朝立ちだ。なんだと思うが 今まで栄養不良
で 教える人もいないので性的知識がまるでないとわかり 入江は愕然とする。
それはどうしたらいいか言葉で教えるが 理解できない浅葱に 実施でこうすると
自慰を教えるのだが それが浅葱にとって スキを増大させることになり・・。